そば畑周辺の『マメ科の野草』
ば畑周辺の『マメ科の野草』
 郊外へ出たら野草を観察してみましょう。

 わたしたち蕎麦の会では、水田をそば畑に転用する研究中です。ある日、あぜ道の野草の中にレンゲソウを一輪見つけました。かつて、この八千代市神久保でも水田の緑肥として栽培されたのでしょう。レンゲソウはマメ科。この周辺に、他にマメ科植物はあるのでしょうか。足元を見ると畔にいく種か生えています。大豆に代表されるマメ科植物には、小豆や落花生などの雑穀類のほか野菜として食べるエンドウやインゲン、ソラマメなどがあります。牧草として知られるクローバーもマメ科です。マメ科植物に共通する特性は根に根瘤菌がつき、空気中の窒素を固定することです。

     
レンゲソウ
野草の中にひっそりと花が咲いています。
きっと30年以上も前に水田の緑肥に蒔かれた末裔でしよう。
水田はレンゲにより窒素と有機質が豊富になります。
美味しいお米を作るための農家の知恵だったのですね。
. 白クローバー
畔のあちこちにたくさん生えています。
帰化植物で牧草だったものが野生化したのでしょう。
踏まれても辛抱強く生え、
まれに四つ葉や五葉などが見つかります。ハッピー!
. 赤クローバー
これも帰化植物の牧草。
青々とした大きな若葉は美味しそうで家畜は好んで食べます。
根瘤菌の窒素で、周囲の野草も元気いっぱい。
根っこの根瘤菌を見るため、引っこ抜いてはかわいそう。
カラスノエンドウ
4月なのに小さなエンドウマメ風のサヤがたくさんついています。
派手なピンクの花と巻きヒゲが他の野草に絡みつく様は
あだっぽさと逞しさが過ぎて恐ろしくさえ感じます。
えっ ? もう、これ以上深く考えなくてもいいでしょう。
クズ
秋の七草で花は紅紫色。根から取れる澱粉を葛粉と言います。
若葉はけなげに見えますが、どうしてどうして
絡みつくものがなければ這ってでも増殖します。
誰かさんみたい、なんて、よけいな想像をしてはいけません。
 
 こんな風に野や藪や畦道を観察しますと自然界の様子が少しは分かります。一輪のレンゲの花。かつて、この地の農業史を風靡したレンゲ。2年前、数株あったあのレンゲ。今年が最後かも。

耕作地の周辺でも生態系の戦いがありました。野草も生き残るって大変なんですね。しかも雑草と見なされても、空気の浄化や土壌の流出防止など大切な役割も果たしてくれていますから、人間とは持ちつ持たれつ、でしょうにね。

     

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